プロジェクトが目指すもの
第4期がん対策推進基本計画では、社会に出る前にがんに罹患した若年AYA世代の持つ構造的な問題が課題として掲げられています。このプロジェクトは、医療機関だけにとどまらない教育機関やその他の地域リソースと連携した具体的な問題解決につながる支援体制の構築を目指しています。
アンケート調査について
若年でがんに罹患する人は、がん患者全体から見ると非常に少ないため、就職の課題についてはこれまで個人や家庭の困りごととして埋没する傾向にありました。そこで若年AYA世代の患者さんが接する立ち位置にある施設・人を対象に、愛知県下において現状把握のための調査を実施しました。
そのアンケート結果を発表させていただきます。
フォーラム開催
愛知県内の医療機関または大学に所属する方で若年AYA世代のがん患者さんに接する機会のある方等を対象に、2024年2月にフォーラムを開催します。フォーラムでは、アンケート結果の報告と今後の若年AYA世代の就活に資する連携支援のご提案させていただきます。
アンケート結果を受けたプロジェクトの提案
- 提案① 主治医→相談員「支援ニーズの拾い上げ・把握」
- 提案② 専門支援機関「患者の個別性を踏まえた情報ギャップの解消」
- 提案③ 大学「学内外で連携し支援できる仕組みをつくる」
支援フロー
すべてのステークホルダーが支援フローにより連携することで、
困りごとの抱え込みを防ぎ、適切な支援につなぎ、
若い世代のがん患者さんの円滑な就活を支援することができます
有識者からのコメント
「若年AYA世代がん患者の就活支援プロジェクト」への期待
堀部敬三氏
[ 医師 / 国立病院機構名古屋医療センター 上席研究員]
ブリッジが取り組む「若年AYA世代の就活支援プロジェクト」は、がんを罹患・経験した若者が、それを乗り越えて初めて就職活動する際に直面する様々な困難への支援の充実を図ることを目的としており、今回、関係者へのアンケート実施により課題が整理され、それを基に、関係者への啓発、ならびに連携を図ることで支援の充実が期待される。初めての就職活動の多くは、高校、専門学校、大学、大学院の卒業を控えた時期であり、将来への夢と迷いの最中にがんと向き合うことになり、希望通りの進路を描けないこともしばしばである。
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「若年AYA世代がん患者の就活支援プロジェクト」の意義を考える
新平 鎮博氏
[医師 / 相模女子大学学芸学部・子ども教育学科 教授/
前 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所]
本研究の目的は、若年AYA世代がん患者「就活支援」の具体的な支援を提言することを目指しており、今回の調査は、その始まりといえる。
どの分野も同じであるが、とりわけ医療における治療、教育における特別支援を行う場合には、診断あるいはアセスメントが重要であり、今回も同様に、調査=アセスメントの結果を踏まえて、目的とする就活支援につながるので、今後の研究が期待される。
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- 調査概要
アンケート結果
はじめに
- はじめに
- 若年AYA世代がん患者を取り巻く課題
- 調査概要
アンケート結果
- ① 国の両立支援推進の施策を知っているか
- ② 過去5年における支援人数
- ③ 対象者の就労・就活状況の把握
- ④ 医療機関と大学が「課題」として感じていること
- ⑤ がん経験のある学生の支援ニーズの把握が期待される部署
- ⑥ がん経験のある学生の把握、対応フロー、進路把握
- ⑦ 医療機関と大学が重要だと考える「連携」
- ⑧ その他のアンケート項目(参考)
考察
- アンケート実施から見えてきた支援の現状
- 若年AYA世代がん患者の特性と必要な支援
- 今後のAYA就活における連携支援